わたしは、顔を上げて、ナナヌーの顔をじっと見て話した。


「あの人を見るナナヌーの目が...とても、諦めて欲しいって思ってる人の目じゃない。

愛おしさを感じる目で、顔をしてる...あの時、外で会ったあの時と同じだよ?

それって、罪作りでしょ?」


聴きながらも、イライラしている顔をわたしへ向けてくる。



「はぁー?なに?そんな顔してないっての!何なんだよ!...ったく...」


ますます...怒りだした...。


顔がかなり険しい...



「面倒な女だよね...わたしって...ごめんなさい」

なんか、よく分かんないけど、謝ってしまった。
迫力に屈したって感じだ・・・笑



「...俺も、感情的になりすぎた...ごめん」




しばしの沈黙




けど...やっぱり...心が動いたってことは間違いないって思う。...

また、怒るかもしれないけど、わたしの気持ちも少しは分って欲しいから...


「怒んないでよ。
この前さー、ナナヌーが言ってたじゃない。カワイイって思えてさって。
だから...」

まだ話の途中なのに、遮って


「カワイイなって思うくらいたくさんある。ジュンちゃんの事だってカワイイって思ってるし...
けど、それと、みくとは違う」

大きな溜息をついて、続ける。

「あのさー...その事に拘ってるんだったら、無駄な心配だって。

あの子は、本当にただの常連さん...それだけ。
何度来てくれても、何度告白されても、それ以上にはならないよ
なにより...タイプじゃない。笑」

....


軽く笑い飛ばされた・・・・・・。



・・・・・・。



なんか...

わたしが物分かりの悪いバカな女って感じになった。


独りよがり?

悲劇のヒロイン気取りだったの?



どう返したらいい?



「...わかったよ...」


結局、それしか言葉が出てこなかった...。




「いいよ。分かってくれたんなら」


そう言って、わたしの頭をポンポンてした。
そして、わたしを抱き上げて、キスをしてきた。



「キスするのも、みくだけだから...」


甘い言葉とキスの嵐...



なんか
上手く言い包められた感も否めないけど...


それでも、彼の一端に少し触れられた気がして
味わったジェラシーも無駄じなかったんだって思った。



声を荒げてまで
わたしに向き合ってくれたって事が、なんだかうれしかったから...



単純な...わたし...。






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読んで頂いてありがとうございました。蝶々結び

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